上海は、人口1000万人を超える大都市である。北京との対比で言えば商業の街である。人で溢れているのはもちろんのこと、モノも溢れている。商業施設や業態、店舗装飾、商品陳列、接客サービスはまだ発展途上であるが、商品の量においては圧倒的だ。商店では、大規模なデパートから小さな個人商店や出店のようなものまで、商品が山積みであった。かつて途上国であった中国は、高い経済成長を遂げ、社会のインフラから商業・サービス業、人々の暮らしぶりまで、日本にどんどん近づいてきている。しかし、まだ、一昔前の日本の状態や中国文化・歴史の香りなど、日本とは異なる部分は多くある。
お店は、昔風の古びたお店がたくさん残っていた。小さなお店が密集していることや店内は飾り気がなくそっけないことが、日本のお店と比べて対比的である。店員の接客態度もそっけなかった。デパートでは、商品が整然と並べられていたが、店内装飾はなく殺風景な感じで、一昔前の日本のようだった。洋服売り場は、見上げるような背の高いマネキンに商品が着せられ、それが端から端までずらりと並べられていて、少々不気味だった。家電量販店はまだ陳列商品は少なかったが、世界各国の製品が置いてあった。このような業態のお店ができているところは、今後の消費経済の発展を感じさせる。上海にはファーストフード店が多くある。日本並みだ。外国資本のファーストフード店が多い。店内は欧米仕様であり、街並みの欧米化で先頭を走っているようだ。ファーストフードの利用は若者が多い。若者からライフスタイルの欧米化が進んでいることを感じさせる。
上海はやはり人が多い。通勤電車は東京ほどは混まないが、バスは満員バスで走っている。道路は、東京より広いようだ。近代的な高層オフィスビルやマンションが立ち並ぶ一方で、そのすぐそばには古く傷んだ木造の低層アパートや民家が密集しており、新宿界隈のようでもある。上海は、近代的な高層ビルと古い長屋のような集合住宅が混在する街だ。都市の急激な発展がこのような姿を形作っている。一方、少し郊外に行けば土地はスカスカで、まだ余裕がある。高層マンションの開発余地があるので、今後も再開発が進み、上海はますます大きくなると思われる。
昔建てられた低層集合住宅街は、長屋のようであり、高齢者が多く住んでいる。日本とは異なり、土足のまま室内に出入りするので、土間と道端が一体化している。お昼頃だったので、土間で大きな中華鍋で炒め物をしている光景が多く見られた。地域再開発で取り壊しになった地区もある。その後は高層マンションが立ち並ぶのだろう。上海の再開発の波の速さには驚かされる。日本と同様なのは、洗濯物が外に干してあることだろう。日本では普通の光景であっても、一般に外国では見られないことだ。窓から選択竿を根元だけ固定し斜め上に突出し洗濯物を干すタイプと、細い路地を挟んで向かいのアパートに棒かヒモを通して洗濯物をぶら下げて干すタイプの2つが見られた。
公園に行けば、高齢者を中心に太極拳の練習をしていた。欧米の公園のように日光浴をしている人はほとんど見かけなかった。街中は、自転車が多い。自転車は、カラフルな色のスポーツタイプというより、昔ながらのデザインの地味なものが多い。大きな通りを自転車の大群が走る様は、中国ならではだ。バイクが多い台湾や東南アジアとは異なる。街中でよく警察官を見かけた。人々に睨みをきかしているように見える。しかし、市民生活では交通規則はあまり守られていないようだ。自動車の交通量の多い大通りでも、横断歩道がなくても人々は所構わず横断するし、赤信号でも関係なく渡っていた。
浦東地区は、新しい上海の姿を表している。大型の高層オフィスビルが並び、国際金融センターを形成している。土地には余裕があり、今後もビルがどんどん建てば、国際金融センターとしての力はますます強くなるだろう。浦東地区の川を隔てた対岸は、バンド地区である。ここは上海の観光名所で、川沿いの道が遊歩道として整備されている。ここから見る浦東地区の姿は、上海の写真で定番となっているものである。細い円柱と大きな球で構成された特徴的姿を持つテレビ塔、その両側を高層ビル群が囲む。大きな川を隔てているので、広大な空間を感じる。背中側に目を転じると、昔の欧州のようなゴシック建築の建物が並んでいる。一見、欧州の雰囲気だが、建物には中国国旗が掲揚されているのが中国であることを示している。観光客はみなここで写真を撮っている。川沿いの遊歩道を歩けば、右に未来の上海を象徴するような近現代的な浦東地区、左に過去の上海を表すような歴史的なゴシック建築群を見て取れる。
上海市内の街角にて。集合住宅の外観は、西欧的な雰囲気が残る。
同じく上海市内の街角にて。大型の集合住宅が並ぶ。1階は商店となっている。
市内中心部にある人民広場を近くのビルから見下ろす。中心部は高層ビルが立ち並んでいる。
上海市博物館には、上海市の縮尺模型が展示されている。
上海市博物館にあった昔の町並みと市電。レトロ感いっぱいだ。
街で見かけた丸みを帯びた集合住宅。西欧的雰囲気が残るデザインだ。
人民広場は、たくさんの市民が集まる憩いの場となっている。奥に見えるのは上海市庁舎。
雨上がりの人民広場にて。虹色の空を背景に高層ビルが浮かび上がる。
市内の街角。古い集合住宅が並ぶ。
高層ビルが立ち並ぶ地域のすぐそばに、昔の古い街並みが多く残っていた。
昔の古いアパート。市内には、このようなアパートが密集する地域がいくつも残る。
住宅地の一角にて。右奥に見える高層ビルとは対比的だ。
同じく住宅街の一角にて。自転車やバイクが多数停められた歩道は、道が狭い。
赤レンガ色の建物はレトロ感がいっぱい。
夜の市中心部。ビルはライトアップされ、街自体がキラキラ輝く。
南方路歩行街の夜。昼もにぎやかだが、どぎつい赤系のイルミネーションが夜をもっと派手派手にする。
街で見つけた長屋タイプの古い建物。窓枠に中国的な雰囲気が残る。
こちらは少し新しいタイプの長屋風建物。
商店街の風景。お店の看板が並ぶ。中国では赤色が基本色で赤色の看板が多く、賑やかな感じとなる。
土産物屋が並んでいた。お店の外観の色と形が派手だ。
住宅地の一角にて。歩く人、自転車に乗る人、道端の椅子に座る人、人それぞれだ。
その一方で、再開発された地域には、近代的な大型マンションが建ち並んでいる。
大型の高層マンションの一角に古びた住宅密集地が残る。上海を象徴する光景だ。
住宅街にて。なぜか人通りは多かった。
門構えがりっぱだ。
上海老街の催し会場にて。赤色がベースカラーで、見た目が派手で賑やかだ。
上海老街の催し会場にて。人でいっぱいだった。
同じ場所にて。こちらは竜宮城のようだ。
同じ場所にて。面白い形がいっぱいある。
川沿いにあるバンド地区から対岸を見る。高層マンションが目立つ。
バンド地区は公園になっており、観光客で賑わっている。
現代の上海を代表する風景。バンド地区から浦東地区にあるテレビ塔と金融街を見る。
ここで記念写真をとる観光客が多い。
バンド地区には、古い欧米建築の建物が残っている。異国情緒が溢れる場所だ。
ひときわ高い時計台が目立つ。どの建物も屋上には国旗が掲げられている。
街中は、自転車が多い。電線も多い。
夜の繁華街。イルミネーションが華やかだ。
浦東地区のマンション群。まだ土地に余裕があり、高層ビル開発が進んでいる。
浦東地区の高層オフィスビル群。金融機関が集まっている。/p>
上海駅。上海の玄関口である。