シンガポールは、都市の名前であるが国家の名前でもある。中国系、マレー系、インド系など人種は多様である。言語は英語であるが、英米とは異なる発音をしている。中国系同士は中国語で会話しており、シンガポールで話される言語は英語以外にもある。シンガポールは先進国で工業都市でもあるが、一番の特徴は、赤道直下にある大都会ということだ。訪れたのは6月であったが、日本の夏より熱かった。特に湿度は100%近くあり、汗は噴き出るわ、メガネは曇って見えなくなるわでたいへんだった。一方、室内に入ると空調がガンガンに効いており、その温度差は激しかった。都会なので、町はコンクリートで固められており、気温はともかく視覚的には熱帯を感じることはすくない。しかし、量は少ないが、所々にある熱帯植物や、郊外に残る熱帯の雑木林がそれを感じさせてくれる。
シンガポールで一番象徴的なのが、中心部ラッフルズプレイスにある高層ビル群であろう。国際金融センターとなっている。近くにあるラッフルズホテルは超高級ホテルとして有名である。客室の建物には入れないが、中庭までは自由に入れる。中心部には川が流れており、その両側に飲食店が並んでいる。川のほとりで食事を楽しめるようにしているのだが、川は黒く、きれいとは言えなかった。オーチャードストリートは、ホテルや商業施設が立ち並ぶ繁華街である。大型高層のビルが建ち、人通りもいっぱいで、日本の繁華街のイメージと近い。住民の足は、もっぱら公共交通機関であるモノレールだ。循環線となっており、モノレールだけで、たいていの場所に行ける。
中国系、マレー系、インド系の人々がいるここでは、それぞれの文化・習慣も共存している。飲食店やフードコートに行けば、多国籍料理が注文できるが、イスラム教のマレー系の人のために、専用のコーナーがある。観察したところでは、中国系の人は中国料理を、マレー系の人はマレー料理を、インド系の人はインド料理を食べているようだ。日本人ならどれでも食べるのだが・・・。都市の中に、中国系、マレー系、インド系がそれぞれ多く住む地域がある。それぞれの地域には当然、中国料理、マレー料理、インド料理のお店が多くなる。
ここでは、日本のように一戸建ての住宅は非常に少ない。一部の高級住宅を除いて、ほとんど全ての人が集合住宅に住んでいる。集合住宅もいろいろな建物があるわけではなく、同様の形をした高層アパートである。立地も、バラバラに点在するというよりは、一か所に固まって立ち並んでいるようだ。このため人口の割には空きスペースが多く、少し郊外に出ると、アパートと商業施設が立ち並んでいる地域と、土地が空いているスペースが区分されている。
シンガポールは、チューインガム禁止、ゴミのポイ捨て禁止など、規則が厳しいことで知られる。街を歩いたところ、ゴミが路上に落ちていることはなく、こぎれいな感じは受ける。ただし、建造物にはそれ相応の汚れがあり、欧州のように街を飾るような様子もないので、どんよりした日差しも相まって、きれいな街というような印象はない。海も、南国の海のイメージよりは、産業都市の港湾のイメージだ。
大型商業施設に行ってみた。シンガポールは都市国家なので輸入品が多いのは普通であるが、日本製品も多く見つけた。中でも、おもちゃとお菓子は日本製品が大部分だった。電気製品に日本製が多いのは分かるが、お菓子が日本の主力輸出品となっていたとは発見だった。書店では、英米から輸入した英語の図書がほとんどだった。著者が地元(シンガポール)の本はほとんどなかった。ここでは、本と言えば、英米の作品、解説書、専門書であり、英米流の知識・考え方が入手される。ビジネスや専門知識も欧米流となる。一方、公立図書館に行けば、一部のジャンルではあるが、中国語やマレー語の図書(主に雑誌)もある。
テレビも、地元局が1局、それ以外は英米番組のチャネルとなっている。地元局は報道とビジネス向けの番組となており、画面の下のところには、株式市場の株価データが流れていた。公用語は英語であるため、英米のメディア(放送、出版)のコンテンツがそのまま輸入できるので、地元シンガポール発信のソフトが少なくても世界の情報を大量に入手できる。地元発信が育たない一方、幼少期から英米流の知識・考え方に接することができ、国際貿易・金融都市であるシンガポールでは、自然と国際標準の感覚が醸成されるのである。
シンガポールからジョホールバルへ出かけた。日本では鉄道の駅は、街の中心といえるが、外国ではそうではない。むしろ、街の中心から外れたところにポツンと建っている場合が多い。シンガポール駅はまさに後者だ。街の外れにある低層の古びたさえない建物だった。ここから国境を越えて、マレーシアまで続くマレー鉄道に乗った。普通列車は、単線・無電化のディーゼル機関車が客車を引くタイプで、マレー半島の熱帯のジャングルの中をゆっくり走る。旅情をそそるものだ。シンガポール駅で両替をして、しばらくは都市部を走るが、郊外になると熱帯の植物の中を走る。
客車の扉が開いていたので、ドア両側の取っ手を掴み、外に身を乗り出してみた。ゆっくり走る列車で熱帯の温かい空気を浴びながら熱帯植物が視界から流れ、熱帯体験ができた。国境手前の駅で停車し、乗客はいったん降りて出入国審査を受ける。また列車にのって大きな川(海?)を超えるとマレーシアだ。コーヒーを飲んでいる乗客を見かけた。ビニール袋にコーヒーが入っていて、ストローで飲む。こちらでは、「ビニールコーヒー」が一般的なようだ。
マレー鉄道はマレーシア湖の熱帯林の中を走った。ジャングルの中に民家が点在していた。シンガポールでは町の緑は少なかったが、熱帯林を切り開いて住宅を建てたような民家が幾つもあった。背の高い熱帯林に囲まれた低く古びた木造民家は、シンガポールでは感じなかった熱帯での暮らしを感じさせた。マレーシアのジョホールバルで降りた。建物は古く汚く雑多な感じで、シンガポールとはだいぶ異なっていた。マレー語だけでなく、中国語の看板も目についた。道路はオートバイが多く、まさに東南アジアの雰囲気だ。

シンガポールの植物。シンガポール国立大学の近くにて。

シンガポール国立大学の建物

シンガポール国立大学近くの高台から見た街並み。

シンガポールの熱帯植物

遠くに見えるのがシンガポール港。

シンガポール国立大学近くの住宅街。シンガポールでは一戸建て住宅は珍しい。

熱帯植物。ここは熱帯地域であることを感じさせる。

植物の形がおもしろい。

プラナカン博物館の建物

直線を基調としたシンガポールの建物は趣きがある。

シンガポール国立図書館。英語図書が中心であるが、アジア言語の図書も多い。

シンガポール国立博物館。ドーム型の屋根に特徴がある。

シンガポール国立博物館

シンガポール駅。マレー鉄道の終着点である。

シンガポール駅プラットフォームの様子

マレー鉄道で国境を越えてマレーシアに入った。国境の町、ジョホールバル駅の様子。

マレー鉄道の列車内から見たマレーシアの車窓。

列車内から見たマレーシアの車窓。

熱帯林の中に民家が点在していた。

マレーシア南部、クルアンの町の駅前風景。

クルアンの町中の様子

クルアン駅の駅舎

クルアン駅のプラットフォーム

ジョホールバル駅周辺の様子

ジョホールバル駅周辺の様子

ジョホールバル駅前のアパート

駅前のアパート群

ジョホールバル駅から王宮博物館へ向かう。

王宮博物館へ向かう途中で見かけたインド人のお店。

王宮博物館へ向かう途中にて。

王宮博物館へ向かう途中にて。

王宮博物館の建物。太陽光を浴びて、真っ白に輝いていた。

王宮博物館の敷地から見た街の中心部。

シンガポール・チャイナタウン近くの独特なデザインの住宅群。

街中の熱帯植物

街中の様子。ビル街であっても緑が多い。

アラブストリート。中央にある金色ドームの建物はサルタンモスク。

アラブストリートの様子

アラブストリートの建物

アラブストリートの建物。装飾の少ないシンプルなデザインだ。

アラブストリートの建物

シンガポールの典型的な大型アパート。

街の一角にて。

リトルインディア地区。インド系シンガポール人が多い。お店もインド風。

リトルインディア地区の通り。インド風のお店が立ち並んでいる。

リトルインディア地区の通り。

リトルインディア地区のお店。

リトルインディア地区にあるヒンドゥー教寺院。

マレー人の文化や暮らしを紹介しているマレービレッジ。

マレービレッジの中の様子。

マレービレッジの中の様子。

建物の2階からマレービレッジを見下ろす。

大規模な集合住宅

集合住宅前の様子。バイクが多い。

ラッフルズホテルの外観。超高級ホテルとして有名。観光名所にもなっている。

ラッフルズホテルの中庭。おしゃれでくつろげる雰囲気だ。

少し見下ろしたラッフルズホテルの中庭。建築デザインに趣きがある。

ラッフルズプレイスの風景。シンガポールで高層ビルが一番多い地区。

ラッフルズプレイスの風景。近くに川がある。

ラッフルズプレイスそばの住宅街。

旧最高裁判所の建物。現在は美術館になっている。

オーチャード通りの様子。大型のビルが通りの両側に立ち並ぶ。シンガポール一番の繁華街である。

同じくオーチャード通りにて。